※chatGPTで生成しています。
薄曇りの夕暮れ、人気のない河川敷。
風に揺れる草の間に、二人の男が向かい合って立っていた。
赤いマフラーが、静かに翻る。
「……本郷、猛です」
その名を聞いた瞬間だった。
「ほ……ほ、本郷さん……!? ほ、本物の……!? う、うわあああああああ――!!」
東島丹三郎は、次の瞬間には地面に膝をつき、両手で顔を覆っていた。
嗚咽が止まらない。号泣だった。
「ちょ、ちょっと待ってくれ東島君!」
本郷は一歩引き、完全に面食らった様子で手を伸ばす。
「な、なんで泣くんだ!?」
「だって……だってぇ……!」
東島は鼻水と涙でぐしゃぐしゃの顔のまま、本郷を見上げる。
「ぼ、僕の……ぼ、僕の人生の原点が……! 正義の象徴が……! 目の前に……うぅっ……!」
「……落ち着こう、東島君」
本郷は苦笑いを浮かべつつ、そっと声を落とした。
「俺はただの人間だ。神様でも、伝説でもない」
「そ、そんなことありません!」
東島は即座に首を振る。
「本郷さんは……仮面ライダー1号は……! 地球の平和と人類の自由を、命を懸けて守り続けてきた、真のヒーローです! 僕にとっては……神様みたいな存在です!」
本郷は一瞬、言葉を失った。
やがて、赤いマフラーを指で押さえながら、静かに言う。
「……そこまで言われると、正直、困るな」
「す、すみません……!」
東島は慌てて頭を下げた。
「で、でも……! 僕も……僕なりに、守ってきたつもりなんです! たとえ変身できなくても、たとえただのお面でも……!」
「知ってるよ、東島君」
本郷は、はっきりとした声で言った。
「君が戦ってきたことも、逃げなかったことも」
東島は息を呑んだ。
「力の形は違う。でもな」
本郷は東島の目を真っ直ぐに見据える。
「地球の平和と、人類の自由を守ろうとする意思は同じだ。俺は、君のこともヒーローだと思ってる」
「……!!」
東島の目から、再び涙が溢れた。今度は、静かな涙だった。
「本郷さん……! あ、ありがとうございます……!」
声が震える。
「そ、そんなふうに言ってもらえるなんて……!」
しばらくの間、二人は穏やかな空気の中で言葉を交わした。
戦いの話、恐怖の話、それでも立ち上がった理由――。
まるで、長い戦いを終えた戦友同士の対談のようだった。
だが。
「……あの、本郷さん」
不意に、東島が口を開いた。
「もし……もし許されるなら……」
躊躇いがちに、しかし真剣な眼差しで続ける。
「僕も……改造人間になりたいんです!」
空気が、凍った。
本郷の表情から、柔らかさが消える。
夕風に揺れていたマフラーが、ぴたりと静まったように見えた。
「……東島君」
その声は、低く、重かった。
「今の言葉、本気か?」
「は、はい……!」
東島は勢いよく頷く。
「本郷さんみたいに……本物の力を持って、もっと多くの人を救えるなら……!」
本郷は、しばらく黙っていた。
そして、ゆっくりと口を開く。
「……君は、何も分かってない」
東島の肩が、びくりと震えた。
「改造人間になるってことが、どういうことか」
本郷は、自分の胸に手を当てる。
「人間だった頃の体も、人生も、二度と戻らない。望まなくても、怪物として見られることもある」
視線が伏せられる。
「俺たちはな……」
声が、わずかにかすれる。
「悲しみを背負った存在なんだ。正義のために戦えても、その代償は消えない」
本郷は、東島を見据えた。
「君は、今のままで戦えている。人間のまま、選んで、立ち上がっている」
そして、はっきりと言った。
「それを軽々しく捨てたいなんて言うな」
東島は、言葉を失い、ただ深く頭を下げた。
河川敷に、再び風が吹き抜ける。
赤いマフラーが、静かに揺れていた。
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