※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。


『御前試合異聞 ―孫忠幹との対面―』

紫前藩江戸上屋敷――
先ほどまで門前で騒動を起こしていた悟空とベジータは、寿福院に導かれ、静寂と格式が満ちる書院造の一室へと通された。

四方に広がる障子と襖の奥、床の間には家宝とされる太刀と、孫家の由緒を示す書が飾られている。
座敷の中央に控えていたのは、一人の若き藩主。姿勢は正しく、眼差しには確かな理性と憂慮が漂っていた。

藩主・孫忠幹は丁寧に襖の前で正座し、深く一礼した。

「おじいさま、お初にお目にかかります。孫火薙守忠幹、にござりまする」
ここでベジータが忠幹に声をかける。
「随分と大きくなったな。お前とは子供の頃に会っているが、あの頃はまだ悟常という名前だったな。俺のことは覚えているか?」
「勿論にございます。大納言様とは幼少の頃によく遊んでいただきました。晩年の頃のお姿に比べ今は若々しい見た目でございまするが、その面影は紛れもなく…。あれから二代将軍秀忠公より偏諱を賜り、今は名を悟常から忠幹に改めておりまする」

「…ダイナゴンサマ?」
悟空が不思議そうに首を傾げる。

「俺のことだ」
ベジータがそっけなく答える。生前、彼が叙された官位――従二位・権大納言。その呼び名が、この時代の武家社会では通例となっていた。

悟空は、改めて目の前の青年――忠幹の顔をじっと見つめる。
そこには、かつての息子・悟飯の面影が微かに宿っていた。整った顔立ちと、内に静かなる熱を宿す目。どこか寂しげでもあるそのまなざしに、悟空はふと尋ねた。

「おめえ、武術の鍛錬はしっかりやってるのか?」

しかし、返ってきた言葉は意外だった。

「…いいえ。私は武の修行を、一切しておりません」

「えっ!? それって……どうしてだ?」

悟空が目を丸くすると、忠幹は静かに口を開いた。

「実は……これは、今より十数年前――私がまだ十五の時のことに遡ります」

──

(回想)

駿府城・大御所御殿――

床に伏す老人の顔色は青く、目は落ちくぼみ、薄く開いた唇からは荒い呼吸が漏れていた。
それが、天下を取った男・徳川家康である。

「…忠幹か」
掠れた声で、家康が名を呼ぶ。

「はっ。忠幹、ただいま参りました」

大御所危篤の報せを聞いて急ぎ見舞いに駆けつけた忠幹は、御簾の前で平伏していた。だが、次の言葉にその背がピクリと震える。

「儂は…秀忠に、お前を殺せと命じた」

「…っ!!」
忠幹は顔を上げた。だが、家康の表情に冗談めいた色は一切なかった。

「そなたの血筋が恐ろしい。孫悟空とミスターサタン…戦国の歴史に名を刻んだ両雄の血を引き、しかも領地は五十七万石。将軍家にとって、そなたはあまりにも異質。――異物なのだ」

「…………」

「だがのう…お前の正室は、我が子・秀忠の養女。その縁で、秀忠が儂に命乞いをしたのだ。どうか、あの子の夫の命だけは…と」

家康は、その目に濁りきった政治の色を湛えたまま、嗄れた声で続ける。

「助かったこと、天に感謝せよ。そして、秀忠からの恩を決して忘れるでないぞ」

──

(回想終わり)

静まり返った書院の間。忠幹はその語りを終えると、ゆっくりと頭を下げた。

「東照神君家康公は恐ろしいお方でした。それ以来、私は武術の道を断ちました。鍛えれば鍛えるほど、幕府中枢に警戒される。…私は、孫家を守るために、己を捨てたのです」
「家康のおっちゃんがそんなこと言うかなぁ…。オラの知ってるあの世でのおっちゃんは、ホトトギスが鳴くまで茶でも飲みながらいつまでものんびり待ってるような、優しいおっちゃんだったぞ」
ここで口を開いたのは、ベジータだった。
「それはカカロット、お前がそう言えるのは、戦国武将且つ政治家としての家康を知らないからだ」

悟空は、難しい顔をして畳を見つめたまま、何も言わなかった。

「…政治とはそういうものだ。あの家康という男、やはり化け物だ」

「でもよ……」
悟空がようやく顔を上げた。どこか寂しそうな目をしていた。

「せっかくサイヤ人の血を引いてんのにさ。武術で鍛えることができねぇなんて、勿体ねぇなぁ……」

その言葉は、まるで子供のように率直で、だからこそ、忠幹の胸には深く刺さった。

だが忠幹は微笑を浮かべ、穏やかに答えた。

「祖父上のお言葉、痛み入ります。…ですが私は、武を捨てた代わりに、筆を執り、藩を治める道に全てを捧げております。それもまた、祖父たる御方の遺志と受け止めておりますゆえ」

悟空は頷く。が、その頷きにはまだどこか惜しむ気配が漂っていた。

そうして――
三代の血が、静かに語らう夕暮れの刻が流れていった。