※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
※1981年のテレビドラマ『それからの武蔵』第8話「江戸城・家光との対決」のワンシーンを参考にしています。
『御前試合異聞 ―将軍と勇者―(後編)』
江戸城・黒書院。
静寂を切り裂くように、勇者ダイが放った一言が場内を緊張に包んだ。
「恐れながら、お言葉通りにござりまする」
徳川家光の問いかけ――「そちは余のことも敵と見做しておるのか」――に対する、この明確なる肯定。
それは、たとえ相手が天下人であろうと、自らの信ずる道を曲げぬ覚悟の証であった。
「訳を申せ!!」
家光の声が鋭く響く。
ダイはわずかに視線を伏せると、ゆるやかに言葉を返した。
「修行の敵にござりますれば」
「なに……修行の、敵だと……?」
その言葉は、まるで家光の心を刀のごとく斬りつけた。
次の瞬間には、黒書院の空気そのものが凍りついたように思えた。
「余は御前試合の後にそちを公儀の兵法指南役に召し抱え、アバン流兵法を天下に広めたいと思っている。何ゆえに修行の敵と申すか?」
「私の修行は、わが師アバンより教わった兵法を広めることではござりません。深く秘められた天地間の理法を、剣を持って極めることにございます」
家光は目を細めた。
その鋭さは、江戸の諸侯どころか天下の流れをも見透かす将軍の目である。
「人の道を究めるための剣の道と申すか?」
「将軍の権威をも容赦なく切り捨て、進まねばなりません」
家光の眉がピクリと動いた。
「そちは君臣の情誼までも敵と見做すか!」
ダイは迷いなく答えた。
「ハッ」
「ダイ、そちは命の尊さを知らぬ剣の鬼と申すか!?」
「御意」
「傲岸不遜、不逞の輩と申すか!」
「御意」
――もはや、これは謁見ではなかった。
それは、剣と剣が交錯する、言葉による真剣勝負であった。
リムルはその場に座したまま額にうっすらと汗をにじませていた。
さすがのミリムも笑みを浮かべず、真剣そのものの表情で二人の応酬を見守っていた。
家光は沈黙した。
数拍の間の後、ぽつりと呟いた。
「……関ケ原で徳川とは敵味方に分かれたとはいえ、余は勇者アバンの遺した兵法が世に埋もれることを惜しむ。ゆえに余はその方を兵法指南役として召し抱え……」
「重々の不徳、何卒お許しくださいませ」
ダイの頭は深く、床すれすれまで下がった。
「断ると申すか!」
「恐れながら、十二の歳より勇者の道を志して三十七年、ようやく会得いたしましたアバン流兵法の極意、本日只今、上様にご伝授申し上げましてございます」
「なにっ、余に極意を?」
家光が目を見開いた。
その一言はまるで雷鳴のごとく黒書院に響いた。
傍らにいた彦左衛門の目が細められる。
そのとき家光が笑った。
声に出して、晴れやかに。
「うむ、確かに授かったぞ!」
リムルは呆然とし、ミリムは目を瞬かせる。レンマも唖然としていた。
言葉の意味は、誰にも理解できなかった。
リムルは小声で呟いた。
「え~っと、これって…つまりどういうことなんだ??」
その問いに応えたのは、リムルの体内に眠る、神智核(ラファエル改め)――「シエル」であった。
《解答:ダイは、将軍の地位や名声を恐れず、自らの裸の心を曝け出しました。それが、将軍家光の心に響いたのです。家光公は己の権威に執着し、偽りに囲まれてきた己の在り方を、ダイという“鏡”によって照らされ、己を知ったのです》
リムル「なるほど……“剣の極意”って、つまり“真心をもって己を敵に晒すこと”か」
家光は立ち上がると、ダイに歩み寄り、その肩に手を置いた。
「皆の者、分かったか! アバン流兵法の極意とは、己の命を裸と成し、敵の命をも裸と成すことじゃ! フハハハハ!!」
その声に、場内は今度こそ驚愕に包まれた。
家光がこれほどまでに高らかに笑うのは、極めて稀なことであった。
「ダイ、余は知らなかったぞ。勇者の道が斯くの如く厳しく、また深い物とは…」
「将軍家の御心に届いたならば、これに過ぎたる光栄はござりませぬ」
家光はその言葉に頷き、隣に控えていた彦左衛門を見て笑った。
「彦左、今日はよくダイを余に引き合わせてくれた。礼を申すぞ」
「首尾よきお目通り、面目の至りにござりまする」
その場の空気は、清冽な風が吹き抜けた後のように、凛とした静けさを取り戻していた。
そして、すべてを見届けた若き剣士・レンマ・アラキは、拳を握っていた。
(勇者ダイ……あれが……俺の、目指すべき背中……)
心に灯ったその炎が、やがて御前試合での大激突へと導いていくのだった――。
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