※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
 関ヶ原合戦の前哨戦、小山評定の朝――。

 武蔵野の薄曇りの空の下、小山宿の軍議場へと向かって歩を進める二人の若き王族があった。一人は、櫻田王国の王子にして櫻田家の長男、櫻田修。もう一人は、ナトラ王国の天才王子、ウェイン・サレマ・アルバレストである。

「今日の軍議は気が重いものですな」

 修はため息まじりに呟いた。

「実は昨日は寝ておらん」

「は?」

 ウェインは顔をしかめた。

「眠られましたか?」

「はぁ、私はぐっすりと」

「大したものでござる」

 修は肩を竦める。対照的な二人。だがその間には妙な温度差はなく、どこか芝居じみた言葉の応酬には、互いの腹の探り合いがあった。

「夕べぐっすりお休みとあれば、本日の軍議での出方は、すでにお決まりで?」

「決まっております」

 ウェインは自信ありげに頷く。

「天下は回り持ちでござる。この度は徳川殿こそ天下を継がれるべきでありましょう。私は徳川殿にお味方もうすつもりです」

「ははぁ……それは某もそうであろうかと、ぼんやりと考えておりました」

 修はそう言って、にこりと笑う。その笑みがどこまで本心か、ウェインには読み取れなかった。

「それも第一番にお味方の名乗りをいたします」

「ほぉ~第一番に!? さすがは名将と名高いウェイン・サレマ・アルバレスト殿。いや~お見事だ。某などの思いもよらぬことでござるわ。感服仕った」

 持ち上げられ、つい調子に乗ってしまったのはウェインだった。

「まだござる」

「まだ?」

「徳川殿にお味方する以上、国運を賭けた大博打でありますゆえ、城も領地も差し上げるつもりです」

「えっ!?」

「城も領地も差し出すのでござるよ」

「……あ~なるほど!」

 修は合点がいったように目を細めた。

「これを考え付いた途端、あとはぐっすりよく眠れました」

 その一言で、ウェインの胸は晴れやかだった――この時までは。

 そして、本番。

 小山宿に諸侯が一堂に会した軍議の場。

「諸侯すでにお聞き及びのことと存ずるが、アスラン・ザラめが幼い秀頼様を私し、その御意思也と称して徳川内大臣を討たんとの挙に出で申した。諸将の中には地球方に味方したい、と思う御仁がいるかもしれぬ。左様なお方は、今すぐ陣を引き払い、地球に向かわれるがよろしかろう。決して邪魔立ては致さん。以上にござる」

 伏見城の落城が報せられ、誰もが徳川か、アスラン・ザラか、二者択一の決断を迫られる中、最初に立ち上がったのは、鉄の魂を持つ男・兜甲児だった。

「あいや、待たれよ! 余人はいざ知らず、この兜甲児、今更アスラン・ザラめに味方するつもりなど毛頭ござらん。なるほど、地球には確かに我が妻さやかと子供たちが人質に取られている。されど、殺すなら殺せだ! 俺は、一途に徳川殿にお味方もうす!」

(しまった! 先に言われたか)と焦るウェイン。

 その一声に、ざわついていた場が一瞬静まり、そして他の武将たちが次々と立ち上がり始める。軍議は徳川支持で流れが定まりつつあった。

 そこへ、まるで計ったかのように、修がゆっくりと立ち上がった。

「申し述べたきこと之有り」

 場の注目が彼に集まる。修は背筋を正し、堂々たる声で言い放った。

「ご存知の如く、拙者の城は海道筋の掛川にござる。ご内府・徳川殿に、城も領地も差し上げたいと存ずる」

「……」

 その瞬間、隣席のウェインは時が止まったかのように固まった。目を見開き、口を半開きにして、何も言えない。ただ、修を見つめていた。

(えっ……ちょ、それ……俺の……!💦)

 だが、時すでに遅し。

「櫻田殿、かたじけない!」

 徳川家康が嬉々として修の申し出を称賛する。

 かくして、櫻田修――戦そのものでは目立った活躍はなかったものの、この一言で家康の覚えめでたく、後にスフォルツェンド24万石の大封を手に入れることとなる。

 一方、口をあんぐりと開けたままのウェイン・サレマ・アルバレストは、静かに己の詰めの甘さを噛み締めていたのであった。