※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
「小山評定」編・第二話として、兜甲児とスパークの夜の密談を歴史戦記×ファンタジー×特撮SFクロスオーバー小説の文体で描写いたします。
第二話『星を背負う者たち』
七月二十四日、夜半過ぎ。
下野小山の陣中は深い沈黙に包まれていた。
風もなく、虫の声もなく、ただ時折、遠くで馬の嘶きが響くだけだった。
その静寂を切り裂くように、一人の男が甲冑の音を控えめに響かせながら、兜甲児の幕舎を訪れた。
「…甲児殿、いらっしゃるか?」
その声は若々しく、しかし威厳に満ちていた。
姿を現したのは、青い長髪に紅の外套をまとった若き英雄――マーモ公王スパークであった。
甲児は起きていた。寝られるわけがなかった。
彼はマジンガーZのパイロットとして、幾度も地球を救った男である。
しかし今夜ばかりは、敵が「怪獣」でも「機械獣」でもなかった。
敵は、かつて共に戦った者たち。そして、自らが守ってきた地球そのものだった。
「スパーク殿、こんな夜更けに……」
「失礼。だが今夜、お主と話しておかねばならぬ」
幕舎の中は蝋燭の光がひとつ、揺れているだけだった。
スパークは腰を下ろすと、そのまっすぐな瞳で甲児を見つめた。
「……甲児殿、決心なされい」
その言葉には、容赦も、強制もなかった。ただ、燃えるような決意だけがあった。
「地球と戦えと言うてはおらん。敵は――アスラン・ザラだ」
甲児の眉が動く。
「それでも……奴は“地球”の旗を掲げている。
西軍の将は、スーパー戦隊のキャプテンたち、ガンダムのパイロットたち――どれも俺の戦友ばかりだ。
そいつらと刃を交えろってのか? スパーク殿、あんた、それを本気で言ってんのか?」
スパークは頷いた。その表情に迷いはなかった。
「本気だ。……だが、聞いてほしい。
アスランの挙兵の本心は、正義や理想ではない。
彼は、銀河の覇権を握ったシルバーミレニアム王室に代わって、己が天下を取るつもりなのだ。
己の理念のためなら、他者の自由も命も顧みぬ。
――あの男が地球を率いるなど、あまりに危うい」
甲児は目を伏せた。彼の脳裏に、幾度も交わしたアスランとの会話が蘇る。
正義、秩序、そして人類の未来――理想を語りながら、どこか冷たかった眼差しを思い出す。
「内府殿(家康)は、ただ幼君・秀頼様の御為を思うて、この討伐を決意しておられる。
自らの名声ではない。ただ、未来を護るために」
「……そういう内府の方は、大丈夫なんだろうな?」
甲児の問いは静かだったが、その奥には鋭い警戒心があった。
彼は家康という男の老獪さを知っていた。
アスランを打倒した後、彼が何を望むのか――その先を、甲児は恐れていた。
スパークは微笑んだ。
「そのような野心は微塵もお持ちにはならん」
そして、小さく笑った。
「我らの世界では、“策謀家”と呼ばれる者こそ、時に一番の善政を成す」
甲児は黙っていた。
「よいか、甲児殿――お主が護ってきたものは何だ?
それはただの“地球”ではない。人類の自由であり、平和であり、
愛する者たちの未来であろう」
甲児の拳が、膝の上でぎゅっと握られた。
「その全てを脅かすのが、アスラン・ザラなのだ。
だからこそ、お主が立たねばならぬ。
アスランを叩き潰すことだ! お主にはそれが出来る。明日にでも出来る!」
「……明日にも、か」
「そうだ。明日の軍議の場で、お主が真っ先に立ち上がり、
“徳川殿にお味方もうす!”と叫んだ時に――勝負が決まるのだ!」
甲児は驚いたように目を見開いた。
「……俺の一声で?」
「その一声は、戦場でのどんな手柄よりも大きい。
百万の兵より重い、希望の声となろう。そうは思わぬか?」
静寂が訪れる。
蝋燭の火が、ふっと揺れる。
そして、甲児は……ほんの少しだけ、口元に笑みを浮かべた。
「……まいったな。スパーク殿、あんた、弁が立つぜ」
スパークもまた、少年のような笑顔で頷いた。
「そう申されるとは、光栄の至りだ」
外では夜がゆっくりと明け始めていた。
星は一つずつ、空から消えていく。
そして、運命の日――七月二十五日、小山評定の朝が、訪れようとしていた。
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