※chatGPTで生成した文章に、一部編集を加えております。
それでは、徳川家康公が冥界にて二種類の時代劇――「極端に美化された自分」と「極端に悪役化された自分」――を鑑賞したうえで、感想を述べる冥界インタビューのシーンを、小説形式でお届けします。
冥界インタビュー特別編
「徳川家康、映像時空の自画像に首をかしげる」
ここは冥府、時を超えし者たちが集う静寂の地。
ひとつの間に、古き武将がひとり、胡坐をかいて座している。
――徳川家康。
三河の岡崎に生を受け、織田信長・豊臣秀吉という巨星を経て、ついに「泰平の世」を築き上げた戦国最後の覇者。
かの男が今、現世にて放映された二本の時代劇を鑑賞し終え、思案げに白い髭を撫でている。
横に控える冥府の聞き手が口を開く。
「いかがでしたか、家康公。まずは、極端に美化された御自分が主役のドラマからご感想を――」
家康はうっすらと微笑んだ。
【第一幕・“聖人”家康を観た後】
「うむ。……まあ、悪い気はせんのう」
(ぽんと膝を叩く)
「子供の頃からの苦労を丁寧に描いてくれたのは、ありがたい。
確かに、三河武士たちは不器用で頑固な連中じゃったが、あやつらと共に歩めたことは誇りじゃ。
……じゃがな」
(ふと目を細め、静かに首を振る)
「あれほどの聖人君子ではなかったわ。
わしは、勝たねば何も守れぬと思うておった。ときに騙し、ときに殺し、ときに沈黙し――
その果てに泰平を築いたつもりじゃ。泣きながら戦ったのではない。戦い抜いた末に、涙したのじゃ」
「それに石田三成や淀の方を、あそこまで悪し様に描くのは気の毒じゃな。
三成殿は融通の利かぬところはあったが、主君に誠を尽くす立派な男よ。
淀殿も母として、妻として、気丈に豊臣家を支えた方じゃ。
……わしと敵対したからとて、悪とは限らぬ。そもそも、“敵=悪”なら、わしも人の敵であったはずじゃろう?」
【第二幕・“極悪人”家康を観た後】
冥府の聞き手が言葉を継ぐ。
「では次に、敵方――たとえば真田幸村が主役の物語では、家康公は徹底した“悪役”として描かれていました。
豊臣の首を狙い、天下を貪る奸臣、狡猾な老獪者。どうお感じになりましたか?」
家康は、一拍置いて、からからと笑った。
「ふははっ、あれはあれで面白かったぞ」
(どこか楽しげに頷き)
「わしは大坂で、真田左衛門佐(幸村)と矛を交えたが……あやつは実に見事な武士じゃった。
あのような男を主役にすれば、敵役であるわしが悪鬼羅刹にされるのも、道理というもの。
英雄譚というのは、敵が強大でなければ話が映えぬからのう」
(ふと、真顔に戻る)
「ただし、わしが無能な味方に足を引っ張られた敵を喜んだことはない。
戦とは総力戦。淀殿も大野治長も、わが敵ながら最後までよう戦った。
“勝てそうだったのに味方に邪魔された”――そういう描かれ方は、むしろ真田殿に失礼じゃ」
【エピローグ:自画像に思う】
冥界の静けさの中、家康はふと空を仰ぎ、ぽつりと呟いた。
「面白いものじゃな。人は、己を語るのではなく、己に何を見たかで語られる。
わしという鏡に、時代がそれぞれの願いや怒りや夢を映しておる。
聖人にされようが、悪党にされようが――それで世の人々が考えるならば、それでよい」
そして、にやりと口角を上げる。
「だがのう、最後に天下を治めたのは、わしじゃ。
それが虚構になろうとも、史(ふみ)には、わしの足跡が刻まれておる。
わしを憎む者も、崇める者も、皆……わしの時代に生きたのじゃよ」
聞き手が礼を述べると、家康は立ち上がり、背を向けた。
その背中は、善悪のいずれにも染まらぬ、ただ一人の人間としての重みを湛えていた。
泰平の世を築きし覇者、徳川家康は、今日も静かに冥府の道を歩む。
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